甑島トライアルステイ2025 開催レポート

2025.10.06

レポート

甑島トライアルステイ2025 開催レポート

こんにちは。薩摩川内市地域おこし協力隊のはまべです。先月、9月16日∼9月20に4泊5日で甑島トライアルステイ2025を開催しました。

この事業は、移住を検討している方に島での生活を実際に体験してもらうことで、移住のミスマッチを防ぎ、移住の促進と地域の活性化を図ることを目的として甑島地域雇用移定住対策協議会からの委託を受けて、島守株式会社と甑島観光まちづくり研究会が協働で実施するものです。

今回は東京、神奈川、京都、大阪から20代から60代の3組、4名の方が参加してくださいました。

DAY1

参加者4名、夕方のフェリーで島に到着しました。
無事に島に辿り着いたことに安心された様子でした。

\甑島へようこそ~‼/

初日の夜は、FUJIYA HOSTELにて参加者と事務局スタッフで自己紹介と挨拶を兼ねた食事会を行いました。島の新鮮な食材を使った料理や、島の焼酎を楽しみながら、リラックスした雰囲気で交流を深めました。

また、下甑島の手打地区で最近誕生したクラフトビール工房 こしきブリュワリー のクラフトビールも味わいました。

島へ向かう前の心境をお尋ねしてみました。

「港で島の方言を初めて聞いて全然聞き取れなかった」「島の人ってみんな知り合いなの?と思うほどすれ違う人がみんなが会話したり挨拶していてビックリした」「この船で本当にあっているのか、、と思っていた」

と、ワクワクとドキドキが入り混じった気持ちで乗船したとのこと。フェリーが快適で海の綺麗さにとても感動したことをお話ししてくださいました。

DAY2

2日目は、上甑から下甑までの島内観光へ。島の自然や風土を肌で感じながら、各地で島の方々との交流を深める貴重な時間となりました。

特に、前夜にいただいたクラフトビールを製造している こしきブリュワリー の松田さんに会いたいとの声が上がり、急遽松田さんの工房を訪問しました。

松田さんは快く迎えてくださり、島へ移住した経緯やクラフトビール工房を立ち上げた背景や現在の活動をお話ししてくださいました。参加者との共通のお知り合いがいたり、地元が近いというで会話が盛り上がりました。工房では、完成間近のクラフトビールの試飲も実現!島素材を堪能できるフルーティーで香り高いクラフトビールを味わいました。

可愛いやぎさん達との触れ合いもありとても素敵な時間になりました。

下甑では島の歴史や昔の暮らし等のお話をしていただいただく機会もあり、みなさんたくさん質問をしたりメモを取ったりとても勉強熱心。

昼食は、島で獲れた野菜や魚やエビを使った贅沢なお魚ランチをいただきました。揚げたての地魚に「わー!美味しそう!」という歓声。ご飯のおかわりをする人が続出していました。

帰路では、スーパーに立ち寄りました。参加者からは「物価が高いと思っていたが、東京と変わらない」との感想や、「これだけ物が揃っていれば不便なく暮らせる。失礼ながら不便な生活を想像していたので驚いた」といった声もありました。

DAY3

3日目は終日フリーとしていましたが、予め案内していた空き家再生プロジェクトにみなさん参加してくださり、瀬々野浦にある空き家の草刈りや室内の掃除をしました。作業の途中、通りかかった近所の方が手伝いに来てくださったり、飲み物を差し入れてくださったりと、人の温かさと助け合いの精神をひしひしと感じることができこうした交流を通じて、互いに支え合い、共に暮らす習慣が息づいていることを改めて実感しました。

瀬々野浦では10年以上前から空き家になっている家を見学させていただき、利活用について意見を交わしました。

どの集落も空き家が増えていく一方で、なかなか利活用が進んでいないのが現状です。住みたい人はいても色々な事情で手放せない、貸せないという事も多く空き家は増え続けています。ぜひ、空き家の利活用をお考えの方には、ご相談していただきたいです。

草刈りや掃除で汗をかいて、そのまま海へ!海辺の集落ならではの夕暮れ時間を楽しみました。

DAY4

4日目も空き家の草刈りや清掃活動へ。手打麓武家屋敷通りにあり、敷地の入口に植栽で作られた目かくしの塀(ヒンプン)が特徴的な家です。庭も広く、夏の間で草は人の丈を越えるほどになっていました。

武家屋敷通りは今も残る玉石垣の整然と続く道がとても美しく遠い昔を偲ばせてくれます。
いつ行ってもきれいに清掃されていて凛とした美しさがあります。

空き家の掃除が終わった後は、目の前の手打湾で海水浴を楽しみました。

この日は夜に移住定住協議会の理事や移住者、以前島に住んでいたという方が集まりBBQで交流をしました。おすそ分けしていただいたタカエビやキビナゴの美味しさに参加者は大感激!

この夜は、4日間の振り返りや離島移住・今後の生き方について熱意に満ちた興味深い話がたくさんありました。
様々な想いを持って甑島へ来た参加者のみなさん。漢字も読めず初めて知った甑島(こしきしま)で暮らす人々の日常や歴史、文化に触れることでこの島への興味をより深めることとなった様です。

期間中、たくさんの人との触れ合いがあり、実際に移住してきた方のお話を聞く機会もありました。「これはどこどこの○○さんが作ったものです」「この方が朝食でお出しした塩を作っている○○さんです」など、島で出会った作り手の方を紹介する機会がたくさんあり、参加者からは「繋がっている感覚があり島ならではの食事体験だった」という感想をいただきました。

「こんなに綺麗な星空は人生で初めて」「夜空の端から端いっぱいの星に感動した」「望遠鏡をのぞかなくても、外に出てただ夜空を見上げるだけでこんなにも美しい星を見ることができるなんてとても贅沢な暮らしだ」と仰っていただきました。

島を訪れる方と接する機会があるたび、私たちが何気なく過ごしている日常は、実はとても貴重で、当たり前ではない瞬間の積み重ねだということに気づかせてもらえます。

アンケートの回答を一部ご紹介

DAY5

最終日も参加者さんは早起きをしてオソノベーカリーでゆったりとした時間を過ごしてから港へ向かいました。

トライアルステイでは、島の自然や文化、島民の暮らしぶりを理解しながら、よりリアルな島の姿を感じていただこうという想いでプログラムを準備しました。急な雨や雷で予定通りには進まなかったことから偶然の出会いや交流が生まれ、濃厚な4泊5日だったように思います。

そして、普段の観光では見えない側面に触れることで、島の魅力や課題についても新たな視点を持つことができ島暮らしに対するイメージの解像度があがったのではないでしょうか。

今回もお見送りの言葉は、さようならではなく「行ってらっしゃい!」

参加者さんからはたくさんの嬉しい言葉をいただきました。改善すべきところもたくさん見得ました。

お見送りしながらトライアルステイが無事に終わりホッとすると同時に「甑島に移住するのでお家を紹介してください」って連絡が来てもいいように準備をしておく必要があるな、、、という想いがありました。

移住促進するならまず住居確保が最優先であり、
選択肢を用意し、待たせない仕組みが必要
です。

最終日の夜に「甑島に移住する際は、お家探しの事なら私に連絡ください!」と言ったからには移住者がちゃんと選択できるくらいの家を用意して受け入れたいです。