甑島トライアルステイ

2025.02.18

移住体験

甑島トライアルステイ

こんにちは。薩摩川内市地域おこし協力隊の浜辺です。

先月、2025年1月23日~1月26日の3泊4日で甑島トライアルステイが行われました。

DAY1

夕方のフェリーにて来島。FUJIYAHOSTELにて初めましてのご挨拶と自己紹介をし、島の食材を使ったコース料理と島のお酒を楽しみました。参加者、旅人、色々な理由で集まった人が美味しい料理とお酒を共にし色々な話題で話も弾みとても楽しい時間でした。

参加者のはるかさんは大阪在住。甑島の焼酎に出会ったことがきっかけで島にも興味を持ち、島にもずっと行きたいと思っていたそうです。
お仕事で独立され、働く場所や時間に制限がなくなったタイミングで大阪ともう一ヶ所、2拠点の生活もいいなと思いトライアルステイに応募したと話してくださいました。

大阪からは朝6時に家を出て飛行機、バス、船を乗り継ぎ半日がかりで島にたどり着いたそうです。串木野新港行きのバスはわりと遅れる事は賢太さんのブログで確認済だったそうですが、「これに乗れなかったらフェリーにも乗れない、、、、」と思いドキドキしながらバスを待っていたそうです。

島に着いての感想は「暑い!めっちゃ暑い!」だったそうです。トライアルステイの期間中は上着もいらないほど暖かい日が続きました。

 

DAY2

参加者全員が初めての甑島ということで、賢太さんにアテンドしてもらい上(カミ)から下(シモ)を巡りました。移動中の車内でも島の歴史や地形、慣習の話など普段島で暮らしている私自身も初めて知るような話も聞け島の魅力再発見!となりました。

観光で行くような所も行きつつ、移住し島でカフェを開いた方のところや空き家の活用準備中、片付け中の家なども見学し築年数が経っていてもしっかりとした梁や立派な柱、銅作りの雨樋、レトロなデザインの棚などを見て、「自分ならこういう風にリフォームして使いたい」「屋根裏にも何かありそうでワクワクする」「これくらいの年代の家の方が好き」などなど様々な想いを話しながら回っていたら時間が足りなくなるほど盛り上がってしまいました、、、

「海の色、空の色、潮風の香り、石垣のある街並み、人同士すれ違う度あいさつを交わすこと全てが新鮮。こういう離島は旅行で来る場所って思っていたけど自分も案外暮らせるかもと思えた」と話してくださいました。

夜は移住者の方との意見交換会、その後交流会がありました。移住してきた当初抱えていた不安、苦労したことなど様々なお話が聞けました。


「頼る人がいなくてしんどかった」「転勤の方が多く交流が少ない地域だった為、友達が出来ず寂しかった」という話や「自分が経験した苦労があるからこれから来る人のために何かしてあげたい」「色々教えてあげれることも増えたし、知り合いも増えたから頼ってほしい」と、移住者の先輩としてこれから来る方へのサポートをしたいという心強い話もありました。

「移住当初は自分自身は移住者であり外から来た人という感覚があったけど何年も経ち、島の人にたくさん助けてもらったり、島の事を知っていくうちに島民側の立場で物事を考えるようになったり、本土からの戻り時には保冷バッグいっぱいの食べ物を買って帰ってきたり、旅行や仕事で来て困っている方にも声をかけたりとすっかり自分も島民になってます!」と話してくれました。

島に移住した後、島の人と出会い結婚された方は「知り合いも少なく産休育休中、社会との接点がなくて心細かった」と言います。「親戚の集まり、冠婚葬祭のことなど細かいしきたりみたいなものがわからなくて色々な人に聞いてわからないながらも必死でやってきた」「家で葬式の準備などをするのはビックリした、親戚や近所の女性たちが集まり料理をしてみんなで故人を見送る感じがとてもあたたかくてとても豊かだなと感じている」と言います。

行事など細かいしきたりが残っていたりすると島の出身でも煩わしいと感じる人も多い中、大変なことも学びや大切な経験と捉え、そんな暮らし方を豊かだと感じられるなんて素敵だなと思いました。

 

DAY3

この日はフリー。各々、行きたい場所へ。
レンタサイクルを借り集落を回っている途中
「どこに行くの」
「どこから来たのー迷ってない?大丈夫?」
「かっこいい自転車だね~」
とたくさんの島民の方が話しかけてくれたそうです。

本土では隣近所にどんな人が住んでいるかも分からない事が多いですが、島の暮らしはちょっとおせっかいな人がそこら中にいて色々と助けられることが多々あります。

「人との関りが煩わしく、田舎でのんびりひっそりなんて思って来たけど島に来てからは外に出たら全然ほっといてもらえなかった、、挨拶もしてくれるし色々と気にかけてもらって、野菜とか頂いたり、、思い描いていた田舎でひっそり暮らしではない、、でもこんな生活も嫌じゃないかもと今は思える」
と話してくれた移住者の方がいました。

参加者の方が島を散策していて感じたこととして「店には意外と生鮮食品がないこと。タカエビや魚介が名物だと思っていたが島内には流通する経路があまりないことに驚いた」と話してくれました。

実際に島ではタカエビなどは漁の船が着く港に直接買いに行ったりすることが多く、スーパーで生のエビが並んでいるのは見ないように思います。

DAY4

朝のフェリーで帰っていかれました。
「もう次いつ来ようかなと考えています」と話す参加者の方。
「島で暮らしたいと思ってもすぐ家が見つからない、お試しで数ヵ月住めるところなどあると気軽に来れるようになるし、そこに住みながら家を探すことも出来る」という意見がありました。

島には空き家がたくさんありますが、仏壇がある、荷物がある、たまに親戚が帰ってくるから等、様々な理由から誰かに貸したり、手放したり出来ない事が多く、住める空き家は少ないのが現状です。
家は人が住まなくなると光と風が入らなくなり急速に老朽化が進みます、、、まだまだ活用できる家を新しい家主へ繋げる、利活用していくことが今後の課題だと感じました。

 

島暮らしを豊かと思うか・不便と思うか

「暮らし方」だけでなく、「働き方」も自由な選択肢が選べるようになってきた今だからこそ「自分の人生を豊かにする」という本質を追及する為、一度、島で暮らしてみるのも悪くないのかもしれません。